Japanese
English
症例報告
顔面に生じたArthroderma benhamiaeによる体部白癬の1例
A case of tinea corporis on the face by Arthroderma benhamiae
北見 由季
1
,
香川 三郎
1
,
飯島 正文
1
Yuki KITAMI
1
,
Saburo KAGAWA
1
,
Masafumi IIJIMA
1
1昭和大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Showa University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
顔面
,
モルモット
,
Arthroderma benhamiae
Keyword:
顔面
,
モルモット
,
Arthroderma benhamiae
pp.779-782
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102412
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要約 47歳,女性.約1か月前より左眼囲に紅斑が出現した.他院皮膚科でステロイド外用を開始したが皮疹が拡大し,当科を受診した.左上眼瞼から内眼角,下眼瞼から頰部にかけて軽度鱗屑を付着する境界明瞭な暗紅褐色斑がみられた.左頰部の鱗屑の直接鏡検で菌糸を認め,真菌培養では中心がビロード状,辺縁が粉末状の白色から淡褐色コロニーを得た.コーンミール培地で紅色産生があり,スライド培養で棍棒状大分生子,ゴマ状小分生子,らせん体を認めた.飼育中のモルモットから患者の分離菌と同様の性状のコロニーが得られTrichophyton mentagrophytesと同定した.PCR-RFLP法でいずれの菌もArthroderma benhamiaeの泳動パターンを示した.治療はケトコナゾールクリーム外用とテルビナフィン塩酸塩錠(125mg)1錠/日の内服4週で皮疹は軽快した.モルモットに皮膚病変はなかったが,感染源の可能性があると考えた.
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