Japanese
English
臨床研究
市中獲得型MRSA感染症―家族内伝播と鼻腔内保菌について
Community-acquired MRSA infection: Spread of the infection and nasal carriage among in the family families
義澤 雄介
1
,
小坂 素子
1
,
川名 誠司
1
Yusuke YOSHIZAWA
1
,
Motoko KOSAKA
1
,
Seiji KAWANA
1
1日本医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Nippon Medical School
キーワード:
市中獲得型MRSA感染
,
伝染性膿痂疹
,
SSSS
,
鼻腔内保菌
,
家族内発症
Keyword:
市中獲得型MRSA感染
,
伝染性膿痂疹
,
SSSS
,
鼻腔内保菌
,
家族内発症
pp.559-562
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100201
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要約
近年,健常人(特に小児)に感染症を起こす市中獲得型MRSA(CA-MRSA)感染症が増加し,問題となっている.われわれは2003年夏季にCA-MRSA感染(伝染性膿痂疹,SSSS)を発症した患者と,その家族内における感染状況,および治療後の鼻腔内保菌について検討した(3家族,患者5例を含め合計10例).その結果,たとえ感受性がある抗菌薬で治療されていても,内服投与ではMRSAの鼻腔内保菌の解決に至らず,再発を予防できないことが推察された.また,家族内におけるMRSA感染が経時的に連鎖していることが観察され,家族内での伝播の可能性が考えられた.CA-MRSA感染患者を診た場合,患者本人だけでなく,同居している家人も治療の対象とし,特に治療後には無症候性の家人を含め全員の鼻腔内保菌を確認し,保菌者には適切な鼻腔内処置や含嗽指導を行うことが必要と考えられた.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.