Japanese
English
症例報告
家族内発生をみたpachydermoperiostosisの1例
A case of pachydermoperiostosis with familial onset
石崎 千明
1
,
野崎 恵美
1
,
宋 寅傑
1
,
飯島 正文
1
,
藤澤 龍一
1
Chiaki ISHIZAKI
1
,
Emi NOZAKI
1
,
Inketsu SOH
1
,
Masafumi IIJIMA
1
,
Ryuichi FUJISAWA
1
1昭和大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine
キーワード:
pachydermoperiostosis
,
家族内発症
,
遺伝性皮膚疾患
Keyword:
pachydermoperiostosis
,
家族内発症
,
遺伝性皮膚疾患
pp.307-312
発行日 1994年3月1日
Published Date 1994/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901154
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家族内発症が認められたpachydermoperiostosisの29歳男性例を報告した.13年前,次兄が本症と診断されている.幼児期より太鼓ばち指,20歳頃より前額部皮膚の深い雛襞と膝関節痛,27歳時より四肢未端の肥大,発汗過多が出現.特徴的な皮膚症状より本症と診断.前額部皮膚の病理組織学的所見では表皮に著変なく,真皮において毛孔の開大,脂腺の多房性増殖および汗腺の増加が認められた.膝関節の滑膜生検では非特異的な慢性炎症所見が認められた.本症は男性に多く発症する遺伝性疾患とされるが,本邦報告例では1933年から1990年までの自験例を含む125症例中27症例に家族内発症が認められ,うち16症例で同胞間発症が認められた.遺伝形式は未だに明らかではない.本症は加齢とともに特徴的な症状が揃うため本症と診断されるのに時間を要する.したがって本症患者に同胞を有する場合には慎重な経過観察が必要と考えられる.
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