Japanese
English
治療
歯科用電動注射器を用いて無痛麻酔を試みた小児口腔内粘液囊腫の1例
A case of infantile oral mucous cyst treated by pain free local anesthesia using electrical syringe
文森 健明
1
,
中野 俊二
1
,
中野 拓
2
,
右田 博文
3
,
橋本 隆
1
Takeaki FUMIMORI
1
,
Shunji NAKANO
1
,
Hiraku NAKANO
2
,
Hirofumi MIGITA
3
,
Takashi HASHIMOTO
1
1久留米大学医学部皮膚科学教室
2中野医院
3くろき・ひろクリニック
1Department of Dermatology,Kurume University School of Medicine
2Nakano Clinic
3Kuroki/Hiro Clinic
キーワード:
電動注射器
,
無痛麻酔
,
小児
,
口腔内粘液囊腫
Keyword:
電動注射器
,
無痛麻酔
,
小児
,
口腔内粘液囊腫
pp.564-567
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100202
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要約
10歳,女児.初診の2週間前に右下口唇粘膜側の結節に気づいた.漸増したため当院を受診した.口唇粘膜部にドーム状に隆起した径7mmの柔らかい腫瘤を認め,典型的な口唇粘液囊腫と診断した.治療には炭酸ガスレーザーメスを用い,切除後7日目に略治した.切除時,麻酔を含めてできうる限り無痛となるよう外用麻酔と歯科用電動注射器による浸潤麻酔を併用した.初めに前処置の歯科用表面麻酔薬,安息香酸エチル(ハリケーン (R))を2分間注射部位に外用塗布した.さらに,歯科用2%リドカイン(8万倍エピネフリン含有)カートリッジと33G極細針装着の電動注射器で麻痺粘膜部から浸潤麻酔を行った.電動注射器の薬液流入速度は極めて緩徐であるため,手圧に比べ組織内圧を急速に上昇させず,注入時の痛みが軽減できる.また,組織間に十分浸潤するため,少量の薬液量で広範囲の麻酔が可能となり,安全性が高い.痛みをほとんどあるいは軽度しか感じさせない局所麻酔は,安定した手術への導入面からも有益な方法と考えた.
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