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内耳開窓後の内耳感染並びに内耳感染度の相違に就いて
山岸 正彌
1
1横浜医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.462-468
発行日 1954年11月20日
Published Date 1954/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201208
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緒言
近年次第に盛となりつゝある内耳開窓術に関して猶色々の問題が残されているが,其の中に於いては開窓後の内耳の2次的感染も亦1つの重要な問題とせられている。本問題は本手術の行われた最初より常に重視せられて来た問題であり,又之に対する危惧の故にPolitzer, Siebenmann等の如き諸大家により本手術に対する強い反対も為されている。茲に於いて私は家兎の蝸牛側壁乃至水平半規管に一般に内耳開窓術に於いて行われる樣な窓孔作製術を実施し,窓孔は開放の儘,耳後創を閉鎖し其の2次的感染に対しては何等予防的手段を講ぜず動物を長期観察の後,生体固定或は死後固定により組織学的に其の内耳を検索し,此の種被手術内耳に如何樣の感染が起るかを観察した。然る所16匹中12匹即ち75%に種々の程度の炎症性変化を認めた。依つて之等12匹に就き開窓後の感染の模樣を詳細に検討し,併わせてその予防法に考察を加えて見た。
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