特集 耳鼻咽喉科の機能検査マニュアル
2.平衡機能検査
[1]四肢平衡機能検査(重心動揺検査を含む)
山本 昌彦
1
1東邦大学医科部附属佐倉病院耳鼻咽喉科
pp.87-94
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900810
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はじめに
平衡機能を判定するための検査において,四肢平衡機能は体幹を含めた四肢に現れる失調を評価するための検査法である。ヒトがいろいろな姿勢を維持させることができるのは,現在の自分がどのような姿勢状態にあるのかを常に判断し保持させていく機構をもっているからである。それには,姿勢状態を感知するためのセンサーが正常に働き,センサーからきた信号を中枢が十分な解析判断を正確に行い,体幹・四肢の骨格筋に適切な信号を与え,機能することが必要である。このような回路のなかで四肢平衡機能検査は,骨格筋に現れてくる異常を捉え,どこに,どのような障害が起こっているのかを判定する。これらには多くの検査法があり,それぞれの特徴や目的をもっているが,ここでに主だった検査法,最近行われつつある検査法について示す。
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