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はじめに
咽喉頭の異物は開業機関では比較的によくみられる疾患の一つである。松永1)の異物統計よりすると大阪大8.7%に対して周辺開業機関では35.9%と報告されている。咽喉頭異物の中で特に下咽頭,喉頭の異物のうち特に小さな魚の骨はなかなか発見しにくく,また嚥下時に疼痛を訴えるため術者も発見除去について色々と苦労をするところである。通常咽喉頭部の異物除去では片手に間接喉頭鏡あるいは硬性鏡を,また他方の手に異物摘出のための鉗子を持つため患者の舌を患者自身がもつか,介補者によって牽引保持する場合が多いが,往々にして術者の観察上あるいは異物摘出の上でも舌の最適な位置えの保持が難しく,これが小さな異物の発見の困難と摘出術上の困難に結びつく場合が多い。
日常の煩雑な外来診療の中で,全例に仰臥位でのlaryngo microscopyを行うわけにもゆかず局所麻酔の多用と結びつく場合も多かったが,最近著者らは閉回路TV systemとKarl Storz社製の硬性鏡と,これに組み込んで使用出来る異物鉗子(実際には生検鉗子)を使用することにより喉頭異物の摘出が非常に容易に行えるようになり,局麻の使用量も極端に抑制できるようになったのでここに報告し御批判をえたい。
The authors reported the use of extraction for-ceps with a built-in rigid scope manufactured by Karl Storz Co. using a closed TV circuit system.
Magnification of local vision and easy handling of the implement was observed.
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