Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
耳鳴再訓練法(tinnitus retraining therapy:TRT)とは1980年後半にPawel Jastreboffによって提唱された音響療法と教育カウンセリングで成り立っている治療法である1)。TRTは耳鳴を消失させることが目的ではなく脳に順応を起こすことで耳鳴の苦痛を減少させる治療である。耳鳴治療器(tinnitus control instrument):サウンドジェネレーター(sound generator:SG)の作用機序は,静寂を避け,耳に雑音を与えることにより大脳皮質における耳鳴の信号のコントラストを減弱させ耳鳴に対する過敏性を減らすように働きかけ,耳鳴に対する順応を起こすとされている。また補聴器の作用機序は,補聴器による外界音の入力によって①耳鳴を紛らわせること,②蝸牛障害による末梢入力低下により上昇した聴覚中枢での神経活性を抑制することとされている。Jastreboffが提唱するプロトコールでは難聴の自覚のない耳鳴症例ではSGを,難聴の自覚のある耳鳴症例では補聴器を推奨している(表1)1)。
本邦においては2001年の松田による報告以来2,3),TRTを行う施設は増加した。筆者が2004年4月〜2022年3月の18年間でTRTを施行し購入された治療器は,SG,補聴器,SG付き補聴器,一側性難聴に対するCROS補聴器であった。本稿では購入された治療器の個数の推移について報告する。
During the 18-year period from April 2004 to March 2022, 1263 patients(669 men and 584 women)underwent tinnitus retraining therapy(TRT)and 600 patients(323 men and 277 women)purchased sound generators(SGs), hearing aids(HAs), and HAs with a built-in SG. Representative cases of patients wearing HAs with a built-in SG and CROS are presented below. We reported the use of SGs, which shifted to the use of HAs, followed by the use of SG and HA in combination, up to the management of unilateral hearing loss using CROS, The stastificial analysis revealed that the score on the tinnitus.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.