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特集 内視鏡下鼻副鼻腔手術—エキスパートに学ぶスタンダードな手術手技(特別付録web動画)
嗅裂病変の処置と術後ケア
Management of the lesion in olfactory cleft and post-operative care
森 恵莉
1
Eri Mori
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.746-753
発行日 2019年8月20日
Published Date 2019/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202166
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POINT
●嗅覚障害に対する内視鏡下鼻副鼻腔手術(endoscopic sinus surgery:ESS)は有効であるが,嗅裂に注目した処置方法については確立していない。
●嗅裂病変の処置のゴールは「確定診断」と「よりよい嗅覚改善」である。
●ヒト嗅上皮の分布領域が解明されていないため,病変をどこまで切除してよいのか,どのような処置法がベストなのかはまだ不明である。過剰切除は医原性嗅覚障害のリスクとなる。
●嗅裂病変処置のポイントは,①篩骨洞内の蜂巣と基板を十分に処理してスペースを確保してから処置すること,②粘膜flattering予防をすること,③先に嗅裂下部の処置を行ってから最後に嗅裂上部の処置を行うこと,④内視鏡の手元を少し下げて中鼻甲介の付け根から嗅裂上部を捉えること,⑤仕上げは截除鉗子を用いて粘膜損傷や骨露出を予防すること,⑥癒着予防のステロイドを使用することである。
●気導性嗅覚障害のみであれば軽快しやすいが,なかには神経性もしくは中枢性嗅覚障害が含まれ,改善しない場合がある。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2022年8月)。
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