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症例をどうみるか 嗅裂に限局した菌塊より放線菌を認めた1例
坂口 雄介
1
,
斎藤 優仁
,
横井 佑一郎
,
大原関 利章
,
吉川 衛
1東邦大学医療センター大橋病院 耳鼻咽喉科
キーワード:
内視鏡法
,
鼻疾患
,
放線菌症-顔面頸部
,
嗅裂
,
頭部CT
Keyword:
Nose Diseases
,
Endoscopy
,
Actinomycosis, Cervicofacial
pp.1453-1455
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2021151226
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41歳女性。小児期より後鼻漏、悪臭を自覚していた。近医耳鼻咽喉科にて内服加療されていたが、症状改善が乏しく精査目的にて当院受診した。副鼻腔CTで左嗅裂に軟部組織陰影を認めたが、石灰化陰影や骨破壊像は認めず、血液検査、尿検査、肺機能、心電図、胸部レントゲンも異常所見は認めなかった。左内視鏡下鼻内副鼻腔手術および鼻中隔矯正術を施行し、左嗅裂を確認したところ、菌塊を疑う白色病変を認めた。摘出した菌塊の病理組織学的検査で、食物残渣を核とした結節状の菌体の集塊を認め、野菜である可能性が示唆された。Grocott染色において放射菌と診断された。術後経過は良好で、術後6ヵ月経過後も再発は認められていない。
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