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嗅覚に関する研究—第8報 嗅裂部造影剤撮影の嗅覚障害に於ける意義
市原 正雄
1
,
宮尾 赳
1
,
小松 晃
1
,
神尾 鋭
1
,
白倉 賢三
1
,
佐久間 義房
1
,
渡辺 一夫
1
,
菅家 良樹
1
,
村山 知子
1
,
塩川 久子
1
,
国府田 中
1
1昭和医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.447-452
発行日 1960年6月20日
Published Date 1960/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202460
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I.緒言
嗅覚障害は種々の原因,誘因により起り得るものであり,古くより幾多の研究がなされているが,猶未解決の問題が少くないのが現状である。本障害の治療を行うに際しては,当然な事ではあるが,障害の部位及び程度を正確に診断し原因及び誘因の除去と相俟つて,適確な治療を行う事が望ましい。本症の診断に当つて我々は先に報告せる如く,その補助手段ともいうべき検査方法即ち圧力試験,稀釈試験,静脈試験を行っているが,今回は嗅裂部の状態を正確に把握する目的で,上顎篩骨蜂窩単純撮影に際して,造影剤として40%モルヨドールを嗅裂部に注入して撮影を行い,診断上有意義であることが判明したので報告する次第である。
It is found that a means, by which 40% molyodol a radio opaque material is instilled into olfactory cleft for the purpose of visualization of the ethmoids as well as the maxillary sinuses, serves also a supplementary means by which olfactory disturbances may be classified.
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