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空前の健康ブームを迎えています。テレビや雑誌も健康食やダイエットプログラムの宣伝であふれています。衝撃的な宣伝で有名な「ラ・・ップ」は生理学や栄養学などの優れた最新知見を体系化した2か月間で達成できるダイエットメソッドの開発に成功したとのこと。当教室員もこのダイエットメソッドに挑戦,2か月間で3kgの減量に成功したと喜んでいましたが,その後の食欲をみるとどれだけ効果が持続するか心配です。さて,健康食やダイエットプログラムの究極の目的はアンチエイジング(抗加齢)です。超高齢社会を迎えたわが国が健康ブームで盛り上がっているのはそのためです。日本の医療費は41兆円に達し,病気になってから治療するという対策だけでは国民の健康はもとより経済をも維持できなくなることは明らかで,予防医学への期待が高まっています。抗加齢医学は超高齢社会を迎えたわが国にとって最も期待されるアプローチであり,このアプローチを科学的に体系化する目的で設立されたのが日本抗加齢医学会です。本年,6月10日〜12日にパシフィコ横浜で第16回日本抗加齢医学会が開催されますが,その会長は東京大学の山岨達也教授です。「日本抗加齢医学会も16年目になりますが,耳鼻咽喉科領域の会長が主催するのは初めてのこととなります。耳鼻咽喉科領域の学会との共同企画,また外科手術のアンチエイジングに与える影響や異なる運動のアンチエイジング効果に関しても,ディスカッションの場を多く設けたいと考えています」とは山岨達也会長のご挨拶の一文です。ぜひ,多くの耳鼻咽喉科医が参加されることを期待したいと思います。
さて,今月号の特集は「新しい指定難病制度を理解する」です。さまざまな紆余曲折を経て,2014年に「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病医療法)」が制定され,第1次実施分,第2次実施分を含めて現在,306疾患が指定難病として認定されています。耳鼻咽喉科領域でも多くの関連疾患が指定難病に認定され,多くの耳鼻咽喉科医が難病指定医に登録されています。指定難病制度を理解することは実地診療を行ううえで不可欠であり,ぜひこの機会に指定難病の概要を学んでいただきたいと思います。原著も臨床上重要な「鼻性眼窩内合併症」の症例報告です。花粉症も佳境となり耳鼻咽喉科医が最も忙しい時期に発行の3月号ですが,診療の合間に一読していただきたいと思います。
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