CPC
下咽頭癌切除後の再建皮膚より発癌したと思われる症例
吉野 邦俊
1
,
佐藤 武男
1
,
馬谷 克則
1
,
藤井 隆
1
,
八田 千広
1
,
垣淵 正男
1
,
沢田 達
1
1大阪府立成人病センター耳鼻咽喉科
pp.1127-1130
発行日 1989年12月20日
Published Date 1989/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200476
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下咽頭癌は進行癌が約8割を占めており,咽頭喉頭全摘出術がほとんどの症例で必要となる。そして,摘出後の欠損が大きくて一次縫合が無理な場合,再建材料として局所あるいは遠隔の皮膚,または腸管(胃,空腸)が用いられている。とくに近年,再建外科の進歩により,切除後の欠損をあまり気にせず十分な切除が行えるようになった。
しかしこのような努力にもかかわらず治療成績は不良であり,5年生存率は依然として30%前後である。したがって長期生存例はまだまだ少ないのが実状であるが,そのような生存例において,再建に用いた皮膚から発癌したと思われる例を最近3例経験した。そのうちの1例を呈示する。
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