トピックス 下咽頭・頸部食道癌の治療とその成績
1.下咽頭癌—大阪府立成人病センターでの経験
吉野 邦俊
1
,
佐藤 武男
1
,
藤井 隆
1
,
稲上 憲一
1
,
橋本 典子
1
,
上村 裕和
1
,
長原 昌萬
1
,
市野 直樹
1
,
馬谷 克則
2
1大阪府立成人病センター耳鼻咽喉科
2大阪船員保険病院耳鼻咽喉科
pp.577-582
発行日 1995年7月20日
Published Date 1995/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901161
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
下咽頭癌は頭頸部癌のうち最も予後不良の癌の1つである。それは診断時にはすでにリンパ節転移をきたした進行癌(stage III,IV)が圧倒的に多いことが大きく影響している。この状況は昔も現在も変わっていない。しかし,治療法についてわれわれの経験を振り返ってみると,30年前は無治療と姑息照射が約半数を占めていた1)が,最近の10数年間では18%と大きく減少している。これは再建手術や全身管理などの進歩などによって,積極的な手術が行われるようになったことを反映しており,徐々にではあるが成績は向上してきている。
本稿では本癌に対する最近の当科での治療法とその成績について述べる。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.