増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド
Ⅳ.喉頭・下咽頭の手術
下咽頭癌:喉頭温存下咽頭部分切除術
松浦 一登
1
1宮城県立がんセンター頭頸部外科
pp.243-247
発行日 2015年4月30日
Published Date 2015/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200622
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症例呈示
59歳,男性。下咽頭癌・輪状後部型T2N2bM0,Stage ⅣA。腫瘍は左披裂部〜PCを主座として左梨状陥凹,右披裂部に広がっていた。反回神経麻痺は認めなかった。また,左上・中深頸リンパ節に転移を認めた(図1)。既往歴として,食道癌にて54歳,55歳時に内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)を施行されている。喫煙歴は20本/35年,飲酒歴は2合×39年であった。
職業は教師であるが,俳人でもあり俳句の指導をしている。そのため声は絶対に残したいという希望があった。またテレビ講師が予定されていたことから,外見が大事であることや長期間の入院生活は避けたいとの要望があった。
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