トピックス 鼻閉の新しい治療法
クライオサージェリー
寺尾 彬
1
,
洲崎 春海
1
,
福田 覚
2
1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
2東京大学医学部付属病院電子顕微鏡室
pp.545-552
発行日 1988年7月20日
Published Date 1988/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200183
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I.はじめに
クライオサージェリー(cryosurgery)によって生体の局所組織を破壊しようとする試みは19世紀半ばに始まる。先人はこの手段をまず腫瘍の治療に導入した。冷却剤は氷と食塩の混合物でそこから得られる温度は−18℃であった1)。当然ながらなんとも効果は挙がらず,その後しばらく文献は途絶えたままとなる。
クライオサージェリーが本格的に広く行われるようになったのは,フロン(freon),炭酸ガス,笑気(亜酸化窒素ガスN2)O,液体窒素(liquidnitrogen)など−40℃から−196℃までの低温を自由に利用しうることが可能となった20世紀も半ばを過ぎてからで,外科,泌尿器科,皮膚科,婦人科,眼科,耳鼻咽喉科の各領域で応用発展するところとなった。
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