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Ⅰ.緒言
著者は1968年以来,耳鼻咽喉科,眼科,皮膚科疾患93例に冷凍手術を施行してきた7)8)13)。これらの症例から著者は次のような事柄を観察した。1)血管成分に富む腫瘍には冷凍手術が非常に有効である。2)2回冷凍において2回目の凍結の方が最初よりも同じ範囲をより早く凍結する事ができる。3)冷凍手術に感受性のある腫瘍で凍結後ただちに暗赤色を呈するものがあり,またその周囲の組織は浮腫状となつた。4)冷凍手術は微細な血管からの出血には有効であつた5)12)。5)凍結しつつ腫瘍を切除した場合,術後の出血はわずかであつた。
これらの事実を見ると微細血管は冷凍手術に相当の感受性があり,これら微細血管の障害は凍結壊死の重要な要素の一つと考えられる4)。そして若干の研究者はこの問題に注目している11)。しかし細胞単位と比べて臓器や組織単位1)では正確な凍結条件を課する事が困難である。著者はマウスの耳介を用いて微細血管に対する凍結の影響を検討した。
The author reports his study on 90 cases of operations which were performed under the freezing method. It is noted that the process by which the tumor cells become destroyed depended largely upon the reactions occurring in the peripheral circulatory system.
Observations were made upon the ear lobes of mouse with 3 different types of freezing method. Various postoperative progresses were noted.
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