トピックス 鼻閉の新しい治療法
電気凝固療法
王 主栄
1
,
古内 一郎
2
1獨協医科大学耳鼻咽喉科学教室
2獨協医科大学
pp.541-544
発行日 1988年7月20日
Published Date 1988/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200182
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はじめに
鼻閉に対する治療は薬物がほとんど効果がないため現在一般的に手術療法が行われている。手術によっては一定期間の入院治療が必要である。しかし電気凝固による治療は出血もなく,また術後ガーゼの挿入が必要ないため入院の必要もなく,一般外来で行うことができる。耳鼻咽喉科の日常診療ではこれを鼻出血の局所止血法に使用している。しかし鼻閉に対する保存的療法としての電気凝固法は使用頻度が少ない現状である。電気凝固はどのような特性をもつのか,安全性はどうかなど,ある程度理解していなければ,より安全より有効な利用はできないと思われる。
生体に通電し熱を発生させる研究は1878年にArsonvalが初めて発表しているが,その後1891年Nikola Teslaが人体に高周波電流を流すと温熱が生ずると報告している。1926年には電気メスの臨床応用が報告された。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.