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特集② 知っておきたい眼科の知識―専門医の診方・治し方
点眼薬―使用法と留意点
Clinical use and important points of eye drops
内尾 英一
1
Eiichi Uchio
1
1福岡大学医学部眼科学教室
pp.755-758
発行日 2012年9月20日
Published Date 2012/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102280
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Ⅰ 抗菌薬
1.点眼薬の種類
ベータラクタム系点眼薬はグラム陽性球菌に有効であるが,MRSAなどの耐性菌も多い。セフェム系はグラム陽性菌に加えて,緑膿菌(図1),セラチアなどの角膜潰瘍の原因菌として重要なグラム陰性桿菌にも有効である。この系統ではセフェノキシム(ベストロン®)が点眼剤として使用可能である。ペニシリン系点眼薬は以前にはあったが,今は販売されていない。アミノグリコシド系,テトラサイクリン系およびマクロライド系はクラミジアに有効性をもつ薬物が多い。ゲンタマイシン(ゲンタロール®など),ジベカシン(パニマイシン®),オキシテトラサイクリン(テトラゾール油性:酢酸ヒドロコルチゾンとの合剤)をはじめとして多数の点眼剤,軟膏剤がある。ニューキノロン系ではレボフロキサシン(クラビット®),ロメフロキサシン(ロメフロン®),トスフロキサシン(オゼックス®,トスフロ®)など現在広く眼科臨床で使用されている。ニューキノロン系点眼薬に防腐剤が含まれていないために,角膜上皮傷害作用が少なく,全般的な有効性は高い。
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