特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅴ.麻痺と痛みの診療NAVI
6.顔面の痛み
増山 敬祐
1
1山梨大学大学院医学工学総合研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.151-156
発行日 2012年4月30日
Published Date 2012/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102149
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Ⅰ 症候についての概説
顔面痛facial painを引き起こす疾患は多岐にわたる。頭痛と同様に多岐多様な症候であり,その診断および治療は複数の診療科が関与している。国際頭痛分類第2版(ICHD-Ⅱ)によると,頭痛(headache)とは“眼窩耳孔線より上部にある痛み“Pain located above the orbitomeatal line”であり,顔面痛(facial pain)とは眼窩耳孔線より下部,頸部より上部,耳介より前方の痛み“Pain below the orbitomeatal line, above the neck and anterior to the pinna”である,と定義されている1,2)。つまり,顔面痛とは眼から下の顔の痛みである。しかしながら,痛みの局在に関しては曖昧なところも多く,眼窩や耳介周囲の疼痛は頭痛と顔面痛の境界領域でもあり,その診断に当たっては頭痛の鑑別診断も含めて総合的に対応していく必要がある。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.