"痛み"のシリーズ・1
顔面痛—定型的な痛み
清原 迪夫
1
1東大・麻酔科
pp.1722-1723
発行日 1965年11月10日
Published Date 1965/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201075
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顔面痛は,種々の疾患に伴つてみられるが,痛みの仕組みや原因については,なお不明なまま残されているところが多い。しかし,患者は,この症候のために,不快な感覚と,不快な感情を起こして,なんらかの対策をもとめている。臨床医にとつて,この診断と治療は,きわめて困難な部類に属するが,対策をたてる前に,解剖,生理,心理の三面からの考察が必要である。それにしても,頭部,頸部の神経支配や,内部血管の走行は複雑で,痛み刺激に対しての心理的な影響も大きいので,むずかしい問題が多い。
これを,定型的な痛みと不定型の痛みとに分けて取り扱うことが,当面臨床診断と治療面において合理的と考えられる。そこで今回は,「定型的な痛み」,第2回では「不定型な痛み」,第3回には「偏頭痛」という順で「痛み」について述べてみたい。
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