書評
めまいの診かた・考えかた
加我 君孝
1,2
1東京医療センター・臨床研究センター
2国際医療福祉大学三田病院・耳鼻咽喉科
pp.237
発行日 2012年3月20日
Published Date 2012/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102094
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めまいの病態生理から臨床症状・治療方針までを説き起こした画期的テキスト
フランスの神経学者のシャルコー(1825~1893年)が“眼振にだけは手を出すな”といったほど眼振というのは当時わかりにくいものであったが,現在ではその生理も病態もよくわかるようになっている。初期研修医にとってめまい発作を呈する救急患者が運ばれたときは,CTをオーダーして脳に病変がないかどうかチェックする程度であるかもしれないが,耳鼻咽喉科以外の医師であってもフレンツェル眼鏡で頭位眼振検査をすれば,おそらく半数以上の患者の正しい診断が可能であろう。眼振の有無がわかるからである。ただし,そのためには眼振の正しい診かた・考えかたを身につけていなければできることではない。
本書は,この100年めまい・平衡障害の領域で星野貞次,福田 精,檜 學の各教授をはじめとする多くの人材を生んだ伝統のある京都大学耳鼻咽喉科学教室で研鑽を積み,アカデミックなキャリアの後,現在めまいを中心とする東京のプライベートクリニックで活躍する二木 隆先生による半世紀のめまい診療の総決算である。
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