連載 見て・聴いて・考える 道具いらずの神経診療・7
―主訴別の患者の診かた2―めまいを訴える患者の診かた
岩崎 靖
1
1小山田記念温泉病院 神経内科
pp.1347-1353
発行日 2008年7月10日
Published Date 2008/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103439
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「めまい」という訴えはかなり曖昧な表現であるが,最もありふれた愁訴の一つである.「目が回る」,「目がくらむ」,「ふらふらする」など多彩な自覚症状を患者は一様に「めまい」と訴える.「めまい」を訴えたというだけで神経内科に紹介されてくる患者が多いが,めまいの原因には耳鼻科疾患も多いことは言うまでもなく,脳外科疾患,精神疾患,眼科疾患,貧血,循環器疾患,いわゆる自律神経失調症や更年期障害,栄養失調,脱水,薬剤性など多岐にわたり,すべての診療科に関連すると言っても過言ではない.めまいの原因は不明であることも多いが,生命にかかわる重大な病態が関連している可能性もあり,慎重な対応が必要である.
めまいの鑑別には誘発眼振検査(頭囲変換眼振検査)や聴力検査などの耳科的検査,重心動揺検査などの平衡機能検査が必要であるが,詳細は成書に譲り,今回は外来での簡単な鑑別のコツについて述べてみたい.
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