Japanese
English
特集 放射線治療における有害事象
4.滲出性中耳炎
4.Otitis media with effusion
小川 武則
1
,
志賀 清人
1
,
小林 俊光
1
Takenori Ogawa
1
1東北大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
pp.688-692
発行日 2009年9月20日
Published Date 2009/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101491
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Ⅰ.はじめに
頭頸部癌診療において,放射線治療は重要な地位を占め,早期癌のみならず,進行癌においても効果的な治療とされている。部位としては特に上咽頭癌1)に有効性が高く,切除不能癌2)に対する治療の主体として,あるいは喉頭温存3)や,術後補助療法4)を目的に行われることが多い。
しかし,放射線療法の有害事象として,照射野に側頭骨が含まれる場合に外耳炎・中耳炎・感音難聴,側頭骨壊死などを呈する症例もしばしば経験し,その1つとして滲出性中耳炎(OME)が知られている。放射性OMEの代表的な写真を図1,2に示す。
本稿では,放射性聴器障害の1つであるOMEについて,上咽頭癌放射線治療例における発生頻度,臨床経過について述べる。
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