Japanese
English
特集 耳鼻咽喉科領域の真菌感染の治療
2.中耳腔
2.Middle ear cavity
海江田 哲
1
,
高橋 晴雄
2
Satoru Kaieda
1
1長崎市立市民病院耳鼻咽喉科
2長崎大学大学院医歯薬総合研究科医学系耳鼻咽喉病態制御学
pp.307-310
発行日 2007年4月20日
Published Date 2007/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100848
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Ⅰ.はじめに
耳鼻咽喉科領域は外耳道真菌症や副鼻腔真菌症などの真菌感染症を取り扱う機会が比較的多い。その理由として,これらの器官が外界に向けて門戸を開いていること,またその湿潤な環境が真菌の発育に適していることが挙げられる。しかしながら中耳腔は,鼓膜および通常閉鎖状態にある耳管により外界とは隔絶されているため本来無菌状態にある空間で,他の耳鼻咽喉科領域とは異なり真菌が常在している場所ではない。確かに鼓膜に穿孔を有する慢性中耳炎などの耳漏から真菌が検出されることがあるが,中耳腔における感染性炎症に真菌がどのように関与しているか不明な点が多い。ここでは中耳炎症性疾患と真菌とのかかわりについて当院における過去2年間の状況を含めて文献的に概説し,さらに耳漏から真菌が検出された際の対処法について述べてみたい。
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