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特集 頭頸部癌の治療指針―私たちはこうしている―
5.放射線治療後再発喉頭癌の治療指針―フォローアップと手術の適応―
1)外来経過観察のチェックポイント
1)Follow-up Studies on Outpatients
福田 宏之
1
Hiroyuki Hukuda
1
1国際福祉大学東京ボイスセンター
pp.537-542
発行日 2004年7月20日
Published Date 2004/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100632
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I.はじめに
喉頭癌は中年以降の男性に好発する疾患で,本人のみならず社会的にも重大な損失を招く。また,喉頭は嚥下,呼吸の機能を有し,個体の生命維持装置としても重要であるばかりでなく,発声という機能もあり,社会生活を円滑に遂行するにも重要な臓器であるといえる。したがって,喉頭を失うことは以後のQOLに重大な影響をもつ。その観点から,喉頭癌の早期発見は治療に際して機能温存の治療法の選択肢を残すことが重要である。その機能温存の治療法は,手術であるならば少しでも機能温存を考慮する方法が取られる。例えば,喉頭内視鏡下のレーザー蒸散,部分切除,亜全摘である。一方,放射線治療は喉頭の機能をほぼ完全に温存できるという観点から好まれることもある。10~20年後の放射線誘発癌の問題があるが,比較的高齢者に選べばよい治療法といえる。どのような治療法を取ったとしても,経過観察のポイントは早期に再発を発見することである。早期発見のポイントの1つは喉頭内視鏡検査にあるが,手術的治療法と違って放射線治療後の喉頭には声帯という臓器が完全に存在しているということである。したがって,放射線治療後の声帯粘膜の性状の変化を踏まえたうえでの内視鏡的な経過観察が重要になる。そのほか主に頸部のリンパの腫大,遠隔転移に対する配慮などが必用になる。
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