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特集 頭頸部癌の治療指針―私たちはこうしている―
2.舌癌T2N0M0症例の治療指針―予防郭清の是非と機能障害への配慮―
1)腫瘍の大きさと予防郭清
1)Elective Neck Dissection in View of Tumor Size
朝蔭 孝宏
1
Takahiro Asakage
1
1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.421-423
発行日 2004年6月20日
Published Date 2004/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100615
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I.はじめに
これまで舌癌T2N0症例の頸部の取り扱いについては様々な議論が交わされてきた。積極的に予防郭清を推奨するもの1)からwait and seeを推奨するもの2,3)まで見解の幅は広く,いまだコンセンサスが得られていないのが実情である。
本稿では腫瘍の大きさと予防郭清という与えられたテーマに沿って見解を述べる。
予防郭清の是非については前述のように見解が分かれており,舌癌T2N0症例全例に対して一律に論じることは避けるべきと考える。厚生省がん研究「頭頸部がんの頸部リンパ節転移に対する標準的治療法に関する研究」舌がんに対する標準的頸部郭清術(プロトコール)においては,舌癌earlyT2N0症例では頸部郭清は行わず,舌癌lateT2N0症例では上頸部郭清を行うと定めている。しかし,earlyT2症例とlateT2症例の定義が定められていない。そこで腫瘍の長径と腫瘍の厚みの2つの因子について,頸部潜在転移との相関を検討し,予防郭清の適応について考察した。
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