特集 味覚・嗅覚障害
4.嗅覚器の形態と機能
土井 清司
1
,
丹生 健一
1
1神戸大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室
pp.199-205
発行日 2005年3月20日
Published Date 2005/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100089
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1.はじめに
嗅覚を司る嗅神経細胞は,ヒトにおいては鼻腔内の嗅裂を覆う嗅上皮の中に存在する。嗅神経細胞には,「胎生期のみならず生後も生涯にわたり再生を繰り返す」という特徴がある。これは神経細胞としては極めて特異的であり,この性質は神経の発生や再生に関しての研究モデルとして様々な分野で注目されている1)(現在,われわれの施設でも in vivo で嗅上皮の形態観察を行い,嗅神経細胞の分化と再生に関して研究を行っている)。
本稿は,この嗅神経細胞を含めた嗅覚器の形態と機能について解説を行い,われわれ耳鼻咽喉科医が扱うニオイの問題に対しての理解に役立てることができれば幸いである。
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