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連載 眼科手術のテクニック・91
涙嚢鼻腔吻合術の術中トラブルと対処—1.術前準備—麻酔と出血対策
Some ideas for smooth and troubleless procedure of dacryocystorhinostomy
栗原 秀行
1
Hideyuki Kurihara
1
1栗原眼科病院
pp.1028-1030
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908817
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涙嚢鼻腔吻合術(dacryocystorhinostomy:DCR)は慢性涙嚢炎,鼻涙管閉塞といった症例に対する最も基本的な手術法のひとつで,この領域の手術を志す者が必ずマスターしなければならない術式といえよう。しかし一方,その有用性をよく認識されていても,現実に実施しようとなると腰がひけてしまう方々が少なくないのも事実で,その大きな理由は,この手術が他の眼科領域の手術に比べ並外れた観血的手術であると思われていることと,術中トラブルを少なくするための方法論の詳細について十分な理解が得られていないことによると思われる。本稿では,こうした点を考慮に入れ,主として筆者自身の経験にもとづき,DCRの方法について紹介する。
a.鼻内処置 術前に鼻内ポリープなどは除去しておくことが望ましい。手術室で最初に行うことは患者の鼻腔内へのガーゼタンポンの挿人である。準備すべき材料は,ボスミン,キシロカイン混合溶液(当院では4%キシロカイン10mlに0.001%ボスミン2mlの割合で混合),鼻内充填用ガーゼ,鼻鏡,耳用鑷子,額帯鏡,口をすすぐための水とコップである。
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