特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
2.治療に必要な基本技術
水晶体疾患の治療
白内障手術手技の現状
永原 國宏
1
1聖母眼科医院
pp.221-224
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907073
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
手術手技の選択
白内障手術手技は術前検査の段階であらかじめどの術式を選択するかを決定するが,第一選択は超音波乳化吸引術である。診察のときには,核の硬さ,チン小帯の状態を正確に把握しておくことが重要である。
核硬度が5以上の症例は細隙灯顕微鏡で黒褐色に見え,水晶体後嚢まで観察することができない。このような症例は水晶体嚢外摘出術の適応になる。しかし硬度が5程度の症例は,実際には手術顕微鏡の下で核の硬さを判断し,最終的に術式を決定している。核硬化の強い白内障では,無散瞳で観察した場合,瞳孔領に見られる水晶体核の中央だけが硬く,周辺部は軟らかい場合もあるため,硬さを誤って判断しやすい。硬いと思われる症例は必ず散瞳し,確認しておくことが大切である。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.