特集 白内障手術の傾向と対策―術中・術後合併症と難治症例
Ⅲ.ハイリスク症例―私はこうする
小瞳孔白内障
永原 國宏
1
1聖母眼科
pp.168-170
発行日 2004年10月30日
Published Date 2004/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100810
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はじめに
筆者は3.5~4mm以下の場合を小瞳孔として扱っているので,これ以下の瞳孔の場合は瞳孔を大きくする操作をする。
単に小瞳孔症例といっても多種の状況があり,1つの方法で処理することは難しい。また角膜の状態,核の状態が違うことによって術式の選択を変える必要がある(PEAか囊外摘出術または囊内摘出術)。
小瞳孔の原因のうち機械的な散瞳不良の典型的なものとしては,狭隅角緑内障で長期間ピロカルピンを使用したもの,レーザー虹彩切開術を受けたもの,ぶどう膜炎の後のものなどが挙げられる(図1)。また,機能的な散瞳不良として偽落屑症候群(図2)や先天虹彩コロボーマがある(図3)。
ここではチン小帯が手術に耐えうる十分な強度をもった症例について述べる。
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