特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
1.診断に必要な基本技術
眼疾患の診断に関する基本の知識
視神経乳頭炎・浮腫の鑑別診断
柏井 聡
1
1京都大学大学院視覚病態学教室
pp.102-104
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907038
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定義
眼底検査で視神経乳頭の隆起を認めれば,先天性に乳頭低形成のため隆起してみえるのか,後天性に視神経が混濁・腫脹して隆起してきたのかをまず区別する(表1)。
頭蓋内圧亢進による視神経乳頭の腫脹・隆起をうっ血乳頭(choked disc)と呼ぶ。英語圏ではこれをpapilledemaと称し,原因によらず視神経乳頭が腫脹・混濁した状態をdisc edemaという。日本語の乳頭浮腫はdisc edemaの意味で用いられることが多いが,混乱を避けるため,検眼鏡的所見は乳頭腫脹(disc swelling),乳頭隆起(disc ele-vation)のように具体的に記述し,脳脊髄圧の上昇を確認して初めてうっ血乳頭papilledemaと診断する。
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