特集 眼科検査法を検証する
Ⅰ.基本的な眼科検査法の検証
MRI,CTの適応と評価
西田 保裕
1
,
井藤 隆太
2
,
高橋 雅士
2
,
本多 達哉
2
1滋賀医科大学眼科学教室
2滋賀医科大学放射線医学教室
pp.37-41
発行日 1998年10月20日
Published Date 1998/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906059
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25年ほど前に出現したCTにより画像診断は大きく進歩した。その最大の理由は,薄い詳細な断層像が得られることであった。この画像診断の出現により,生体内での任意組織の病変を詳細な断層像として観察できるようになった。それまで限窩や頭蓋内組織は,内視鏡などを用いることができる腹部や胸部臓器とは異なり厚い骨で覆われているため,非侵襲的に詳細な観察をすることは不可能であった。しかしCTの出現により,これらの組織の分野では大きな恩恵を受けられるようになった。後にCTが断層像での画像診断としてその中核を成すわけであるが,さらに約10年後にはMRIが登場することになり,現在ではこれら両者が断層像の両翼を担っている。CTとMRIは同じ断層像であっても,その画像を構成する要素は根本的に異なっている。すなわちCTは各部位のX線吸収値により濃淡が決定されて画像を構成し,一方MRIは生体内の水素原子の陽子から放出される核磁気共鳴信号を検出し,この情報により各部位の濃淡が決定され画像が作成されることになる。よってCTでは生体のX線透過性が,MRIでは生化学的組成が画像に反映されることになる。今回この2つの異なった方法を比較しながら,眼科領域である眼窩と頭蓋内の画像診断を検証したい。
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