特集 眼科検査法を検証する
Ⅰ.基本的な眼科検査法の検証
手術用病理組織検査の実際
平形 明人
1
1杏林大学医学部眼科学教室
pp.43-46
発行日 1998年10月20日
Published Date 1998/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906061
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眼科臨床医は細隙灯顕微鏡検査や眼底検査によって病変を直接観察している。細胞の増殖や欠落,炎症細胞の浸潤,血管の閉塞などを観察すること自体,すでに病理学の肉眼的観察に匹敵している。それにもかかわらず,一般眼科医は眼科手術のなかで悪性疾患を対象とすることが少ないためか,病理組織検査を上手に利用していないようにも思われる。
病理組織検査は,ホルマリン固定からパラフィン包埋し,切片をヘマトキシリン・エオジン染色して光学顕微鏡で観察するのが基本である。さらに目的に従って特殊染色,免疫組織化学,電子顕微鏡検査などを施行する。最近では免疫学的手法あるいは分子生物学的手法が進歩して,細胞レベルや遺伝子レベルの検索まで行えるようになった。
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