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連載 眼科手術のテクニック・89
シリコーンロッドを用いる涙嚢鼻腔吻合術
Dacryocystorhinostomy using Silicone rod
矢部 比呂夫
1
Hiroo Yabe
1
1東邦大学医学部第2眼科
pp.460-461
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905284
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シリコーンロッドを用いる意義
従来の涙嚢鼻腔吻合術の手術適応は涙嚢より下方に涙道閉塞が存在する場合に限られていたが,実際の臨床症例においては慢性の涙嚢炎などにより涙嚢内粘膜が癒着していたり,何らかの涙小管閉塞を伴っていたりする症例(1996年10号に述べた涙小管閉塞の程度分類のGrade 1〜2に相当。図1)が多く,これらを手術適応から除外すると手術成績は向上するものの,手術対象外の症例があまりに多くなる。これらの症例に対して涙小管チューブなどを組み合わせる方法もあるが,一時的留置物としては中空構造のチューブより実質構造のロッドのほうがすぐれており,さらには単純化された一つの術式で対応できるほうが臨床的に有用であるという概念に基づいてシリコーンロッドを用いる涙嚢鼻腔吻合術を施行している。
本稿においては,骨窓作成や粘膜吻合などの一般的な涙嚢鼻腔吻合術の手技は省き,本術式特有の手技にしぼって述べる。
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