特集 緑内障Today
Ⅴ 緑内障手術をめぐるControversy
血管新生緑内障—Pars Plana濾過手術
向野 利寛
1
Toshihiro Kohno
1
1福岡大学筑紫病院眼科
pp.177-181
発行日 1996年10月20日
Published Date 1996/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905127
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はじめに
血管新生緑内障を合併した増殖糖尿病網膜症や網膜中心静脈閉塞症などで,すでに隅角が閉塞している場合は光凝固や硝子体手術で虹彩ルベオーシスが消退しても眼圧は下降しない。そのため,同時に眼圧を下げる処置が必要となる。しかし,虹彩ルベオーシスが強い段階で線維柱帯切除術などを行っても,術後の前房出血やフィブリン析出のために手術が不成功に終わる可能性があり,虹彩に侵襲を加えない別な房水流出路を作成する必要がある。
Pars plana濾過手術は虹彩や隅角に侵襲を加えない手術法であり,Machemerら1)の始めた方法がある。いわゆる臼井法2)も毛様体への手術であり,この場合,術前後のトノグラフィーでC値の改善がみられ,この方法も一種の濾過手術と判断できる。そうすると現在われわれが使えるparsplana濾過手術は2種類となる。
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