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特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(5)1991年10月 広島
学術展示
Friedreich's ataxiaに伴ったbull's eye黄斑症の網膜機能所見
Electrophysiological findings in a case of Friedreich's ataxia with bull's eye maculopathy
内山 佳代
1
,
斎藤 友護
1
,
浅井 宏志
1
,
若林 謙二
1
,
河崎 一夫
1
Kayo Uchiyama
1
,
Yugo Saitoh
1
,
Hiroshi Asai
1
,
Kenji Wakabayashi
1
,
Kazuo Kawasaki
1
1金沢大学医学部眼科学教室
pp.1044-1045
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901239
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- Abstract 文献概要
緒言 Friedreich型運動失調症は脊髄小脳変性症の一種で,脊髄小脳変性症には種々の黄斑変性症や非定型的網膜色素変性症などを合併することがあるといわれている。一方bull's eyeを呈する疾患1,2)には,クロロキン網膜症,Stargardt病,錐体ジストロフィ,fucosidosisなどが知られている。今回筆者らはbull's eyeを伴ったFriedreich型運動失調症の1例を経験し,各種の電気生理学的網膜層別機能検査を行った。Bull's eyeを伴ったFriedreich型運動失調症の報告は筆者らの調べた限り今までになく,本症例の臨床像と網膜機能の評価を行うことはFriedreich型運動失調症にみられるbull's eyeとbull's eyeを呈する他の疾患群との関連性や病因についての考察を得る1つの手掛かりとなると考えられる。
症例 33歳,女性。初診:1991年2月13日。主訴:眼科的精査(神経内科からの紹介)。現病歴:12歳頃から歩行障害を生じ、26歳時にFriedreich型運動失調症と診断された。このころから視力低下を自覚した。本人の言によれば,視力は左右とも小学生時代には1.0であったが,27歳時には0.7に低下した。歩行障害と視力低下は徐々に進行している。既往歴:分娩は満期正常で,全身発育は正常であった。家族歴:両親は近親婚(父が母方祖母のいとこ)である。
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