文庫の窓から
和蘭眼科新書(その3)
中泉 行信
,
中泉 行史
,
斉藤 仁男
1
1研医会
pp.86-87
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900499
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本書はこのように,文化12年の春正月に初めて刊行されたが,次いで同年本書は眼球解剖図の一部を修正して,書名を「眼科新書」と改めて,浪華書肆群玉堂蔵版にて発行された。
この「和蘭眼科新書」と「眼科新書」の両書に掲げられた眼球解剖図を比較すると,11個の図の中,第10図,第11図に修正が加えられている。即ち,第10図の図説で,前者において“T毛様線,自硝子液透見”が後者では“T角膜”とあり,第11図において前者には図番号がなく後者にはある。また,同図の水晶液・硝子液をもる器が前者の方は貝殼,後者の図ではガラス器になっている。そして図説では前者の方に“丙蒲桃膜”後者には“丙毛様線 自 蒲桃膜所剥離者”とある。本書の本文は全12篇よりなっているが,「眼科新書」の第11篇が第12篇,第12篇が第13篇に誤摺になっている外はこの両書の間にはほとんど相違が認められないようである。
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