文庫の窓から
和蘭眼科新書(その2)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斉藤 仁男
1
1研医会
pp.2002-2003
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900478
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この「泰西眼科全書」に附された“新訳泰西眼病方序説”および“餘録”(“解悶雑記”)(これらは別に大槻玄沢手記本として故山賀勇氏により昭和39年5月,静嘉堂文庫にて発見された)にはプレンク眼科書のオランダ語訳から「泰西眼科全書」に至る,いわばプレンク眼科書の蘭訳本の輸入および翻訳事情がこと細かに記述されている。
さて,「泰西眼科全書」は寛政11年(1799)の春に宇田川玄眞により,カナ交りの日本文に翻訳されたのであるが,訳文は誤りも多く,完全な訳ではなかったようである。そこでたまたま漢蘭の眼科を修めた杉田立卿(1786〜1845)がプレンク眼科書の翻訳を父杉田玄白より命ぜられ,この「泰西眼科全書」を全面増訂した。
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