連載 眼の組織・病理アトラス・50
隅角発育異常緑内障・晩発型
田原 昭彦
1
,
猪俣 孟
1
1九州大学
pp.1922-1923
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900461
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隅角発育異常緑内障・晩発型は前房隅角の発育が不完全なために発症する緑内障で,早発型よりも遅れて,眼球壁が硬くなった4歳以後に発症する。従来,若年緑内障と診断されていたものの大部分がこのタイプに分類される。
自覚症状に乏しく,軽度の眼痛,霧視,虹輪視を時々自覚する程度である。視野異常や視力低下に気づいて眼科を受診し,本症と診断される症例も多い。角膜径はほぼ正常で,前房の深さは正常か,やや深い。眼圧は25〜40mmHg程度で,60mmHgを越えるような高眼圧はまれである。視機能は発症初期には良好であるが,異常に気づいて受診した症例では,高度の視野異常,視力低下を来している場合も少なくない。このような症例では,緑内障性の視神経乳頭陥凹と萎縮とが認められる。隅角検査で隅角形成不全を認める。本症では隅角陥凹の形成が悪く,毛様体帯がほとんど認められないか,その幅が著しく狭い症例が多い(図1)。
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