連載 眼の組織・病理アトラス・41
発育異常緑内障 早発型
田原 昭彦
1
,
猪俣 孟
1
1九州大学
pp.224-225
発行日 1990年3月15日
Published Date 1990/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908067
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前房隅角の形成不全によって発症する原発緑内障を発育異常緑内障developmental glaucomaと呼び,3歳以前に発症して角膜径の拡大を伴うものを早発型として,それ以後に緑内障が出現する晩発型と区別する。従来,先天緑内障早発型,あるいは牛眼と呼ばれていたものがこれに相当する。
眼球が大きい,角膜の混濁,羞明,流涙などの症状に親が気付いて眼科を受診することが多い。角膜径が11mm以上に拡大し,前房が著しく深く,高眼圧によって角膜浮腫,デスメ膜断裂などの所見を認める。さらに隅角鏡検査で隅角形成不全が観察されれば診断は確実である。隅角形成不全の隅角鏡所見についての明確な基準はいまだ確立していないが,毛様体帯が透見できない,あるいは非常に狭い所見は隅角形成不全の指標となる(図1)。
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