増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド
5 緑内障
原発閉塞隅角緑内障
栗本 康夫
1
1神戸市立神戸アイセンター病院
pp.224-228
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214175
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クリニック・病院で診るときのポイント
クリニックで診るとき
《閉塞隅角があるかどうかの緑内障病型判定》
・閉塞隅角を疑わせる所見がないかどうか,細隙灯顕微鏡検査で必ずvan Herick法で周辺前房の深さを確認する.van Herick法で前房深度/角膜厚比が1/4以下(できれば1/3以下)であれば閉塞隅角の存在を疑う(図1).さらに,隅角鏡検査に習熟していれば同検査を行って原発閉塞隅角症疑い(表1)に該当するかどうかを判定する.
《重症度の評価:どのくらい緊急性があるか》
・緑内障視神経症がどのくらい進行しているか,視野検査および視神経乳頭所見により評価する.
・眼圧はどれくらいか測定を行い,亜急性緑内障発作を疑わせる既往がないか聴取する.
病院で診るとき
《治療適応の判定》
・本緑内障病型は原則として外科的治療が第一選択になるので,治療適応の有無の判定が重要.
《隅角閉塞メカニズムの判定》
・その症例に無効な治療を選択しないようにするためには,隅角閉塞メカニズムの判定が重要.
《最適な治療術式の決定》
・術式のメリットとデメリットを症例ごとによく吟味して,それぞれの症例に最適な術式を決定する.
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