増刊号 7年前の常識は現在の非常識!—眼科診療の最新標準
3.緑内障
3)治療
原発閉塞隅角緑内障の治療
酒井 寛
1
1琉球大学大学院医学研究科医学専攻眼科学講座
pp.163-168
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212898
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ここが変わった!
以前の常識
●POAGと比べると,PACGは稀であるので疾患としての重要性も低い。
●急性原発閉塞隅角症やPACGの治療はレーザー虹彩切開術を行う。白内障手術は主要な選択肢ではない。
●わが国において,アルゴンレーザー虹彩切開術後の合併症として水疱性角膜症が注目されている。
●エビデンスレベルの高いランダム化比較試験により,急性発作眼に対してはレーザー虹彩切開術と比べて水晶体再建術のほうが優れていることが示されていたが,その他の病型においての研究はない。
現在の常識
●有病率は低いが,PACGの失明率はPOAGの数倍あるので,失明者数はほぼ同数であり,予防可能な疾患であることを加味すると重要性はより高い。
●各国のガイドラインにおいて,レーザー虹彩切開術は現在でも急性原発閉塞隅角症やPACGの治療の基本とされているが,水晶体再建術も併記されている。
●欧州のガイドラインでは,Nd-YAGレーザー虹彩切開術が推奨されており,わが国のガイドラインでもアルゴンレーザーを併用するNd-YAGレーザー虹彩切開術が提案されている。
●ランダム化比較試験により,急性発作眼に加えて慢性の原発閉塞隅角症およびPACGにおいても,レーザー虹彩切開術と比べて水晶体再建術のほうが優れていることが示された。
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