増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド
5 緑内障
血管新生緑内障
東出 朋巳
1
1金沢大学附属病院眼科
pp.219-223
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214174
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
クリニック・病院で診るときのポイント
クリニックで診るとき
① 血管新生緑内障(NVG)のハイリスク症例(眼科または内科が無治療あるいはコントロール不良の糖尿病,内眼手術後の糖尿病網膜症,虚血型網膜中心静脈閉塞症,眼虚血症候群など)では,散瞳する前に前眼部診察と隅角検査を行い,ルベオーシスの有無を確認する.
② 高眼圧症例(角膜浮腫,充血あるいは前房出血を伴う場合)には,NVGを疑って糖尿病などの病歴を聴取し,ルベオーシスの有無や虚血性網膜疾患の有無を念頭に置いて診察する.
③ 眼圧のみでなく,視力,視野も測定して視機能を評価する.
病院で診るとき
上記①〜③に加えて,下記のポイントが挙げられる.
① 糖尿病や高血圧など病歴に応じて専門の内科にコンサルトする.眼虚血症候群疑いの場合,画像検査と脳神経外科へのコンサルトを行う.
② 網膜光凝固および抗血管内皮増殖因子薬の硝子体内注射の適応の有無と施行時期を検討する.中間透光体混濁によって経瞳孔的網膜光凝固が難しい場合には,白内障手術や硝子体手術を考慮する.一方,薬物治療による眼圧下降が不十分である場合には,緑内障手術を考慮する.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.