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あとがき
坂本 泰二
pp.1106
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213246
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現在,梅雨の合間に見える青空を見ながら拙文をしたためておりますが,本号が皆様の眼に触れるのは,夏真っ盛りという頃かと思います。気象庁によると今年の夏の暑さは平年並みとのことですが,実際のところはいかがでしょうか。その暑さも落ち着くであろう9月には,東京医科歯科大学教授大野京子会長のもとで,国際近視学会が開催されます。世界中の近視研究者が一堂に会する学会になります。これを機会に,わが国でも近視についての理解が広く進むことを期待します。
さて,本号の「今月の話題」は,平岡孝浩先生による「近視進行抑制について」です。現在の近視研究について,非常にわかりやすく解説されています。国際近視学会の開催時期に合わせたわけではないですが,時宜を得た企画ではないでしょうか。私が大学生であった1980年代には,近視は病気ではないという言説や,甚だしいものでは日本人は眼鏡をかけることを厭わないので,むしろ近視は生活に有利であるという説を聞かされることも少なくありませんでした。しかし,近視はわが国の中途失明原因の上位を占めるようになりましたし,世界中で近視の罹患率が急速に高まっていることを考えると,これからの30年は近視を克服することが,眼科に課せられた大きな課題だと考えます。眼科専門誌『RETINA』の編集長Bruker先生も同じ意見で,これからの大きな課題は近視であると言われたことを思い出します。
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