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あとがき
坂本 泰二
pp.274
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213920
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原稿を書いている2020年師走,新型コロナウイルスCOIVD-19の感染第3波が全国に拡大し続けています。1日の新規感染者数が過去最高を記録したというニュースが毎日のように流され,沈鬱な気分になります。我々は既に新型コロナ後の世界に暮らしており,新型コロナ前の世界には戻れないという言葉が語られ始めました。少なくとも人々の心に刻まれたこの経験は,これからの社会の在り方に決定的な影響を与えるでしょう。それがどのようなものになるかは,若い世代にかかっています。
さて今回の特集は,井上幸次先生のご企画による特集「前眼部検査のコツ教えます。」です。私が研修医の頃は,前眼部検査は細隙灯検査がほぼすべてであり,それを使いこなして前眼部の所見を取ることが肝要であると指導されました。むろんそのような方法では,所見の判断は検査者の主観に依存するため,今日のような病態解明にはつながりませんでした。しかし,その後の検査法の進歩は目覚ましく,新しい検査法が次々と臨床の場に導入されました。多くのものは客観的評価が可能であり,研究者間で情報交換が可能になり病態解明や治療法開発に大きく貢献しました。重要なことは,前眼部においては検査法や機械の開発に,当時の若い日本人研究者たちが大きく貢献したことです。井上先生もそのなかの1人です。そのことを考えながら今回の企画を拝読いたしますと,またいっそう味わい深いものになることをお伝えいたします。
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