海外留学 不安とFUN・第42回
ロンドン留学記・2(誤解と偏見の食生活編)
栂野 哲哉
1,2
1Moorfields Eye Hospital, University College London
2新潟大学医学部眼科学教室
1Moorfields Eye Hospital, University College London
pp.720-721
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213165
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イギリス留学の不安といえば…
イギリスに向けて出国する準備も徐々に本格化していた2016年6月,世界を揺るがす事件が起きた。国民投票によってBrexit,欧州連合からのイギリス離脱が事実上決定したのだ。しかし,渦中の国で何が起きるかわからない,という私の不安をよそに,知人たちが見送る際に私にかける言葉は決まって「ご飯美味しくないんでしょ?」だった。
イギリス人は自国の食文化を自虐も込めて「とにかく食べられる料理」と自負している。私自身,食べることには無頓着だったことから不安はなかったが,心配の種は1歳半の息子にあった。妻は日本人としての繊細な味覚が身に付くよう,日ごろ野菜などからとった出汁を与えるとともに,栄養バランスにも気を配っていた。イギリスの食材で作った料理を果たして口にしてくれるだろうか…。
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