海外留学 不安とFUN・第43回
ロンドン留学記・3(40歳を過ぎての留学編)
栂野 哲哉
1,2
1Moorfields Eye Hospital, University College London
2新潟大学医学部眼科学教室
1Moorfields Eye Hospital, University College London
pp.860-861
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213193
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衰えと経験値
Garway-Heath教授のラボには各国から留学生が来ていたが,40過ぎの中年ど真ん中は私1人だった。彼らのほとんどが私よりひと回り以上若く,将来自国の緑内障診療を背負って立つであろう非常に優秀な若手眼科医でもあった。彼らのバイタリティと適応力には常に圧倒され,自分との差には劣等感どころか清々しささえ感じた。
衰えはパレードでやってくる。40歳を超えてからというもの,立て続けに手術をすれば腰は痛み,スマートフォンの文字も読みづらくなった。人の名前だってすぐに思い出せない。最近は3歳の息子との片足立ち競争でもいい勝負だ。衰えは決して忍び寄って来ないと思う今日この頃だ。
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