増刊号 眼科基本検査パーフェクトガイド—理論と実技のすべてがわかる
Ⅰ 眼科検査の理論と実技
隅角検査
森 和彦
1
,
丸山 悠子
2
1京都府立医科大学眼科学教室
2市立福知山市民病院眼科
pp.118-124
発行日 2017年10月30日
Published Date 2017/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212468
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理論編
隅角検査の目的および種類と使い分け
隅角検査は房水流出路である隅角を観察する検査であり,緑内障病型診断や治療方針決定,手術後の房水流出路の評価など,緑内障の日常診療に必要不可欠な検査である。基本は接触式隅角鏡を使用した細隙灯顕微鏡下での観察であるが,その他の検査法として超音波を用いた接触式の超音波生体顕微鏡(ultrasound biomicroscopy:UBM),非接触式の前眼部光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)などの前眼部画像解析装置を用いた方法がある。図1に各種隅角検査の特徴,図2に前眼部画像解析装置の比較を示す。隅角鏡による検査はどちらかといえば定性的であるのに対し,UBMや前眼部OCTは定量的検討が可能である。一方,前眼部解析装置による隅角検査は断面像もしくは再構成画像であり,動的検査や微細な異常所見を捉えることは困難である。隅角には緑内障以外でも種々の異常所見が出現する疾患も多く,隅角鏡による隅角検査は眼科基本検査の1つであるといえる。
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