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連載 熱血討論!緑内障道場—診断・治療の一手ご指南・第20回
バルベルト®緑内障インプラント手術2年後に眼圧上昇をきたした症例
Case of increased intraocular pressure two years after Barveldt® glaucoma implantation
菅野 彰
1
,
谷戸 正樹
2
,
濱中 輝彦
3,4
Akira Sugano
1
,
Masaki Tanito
2
,
Teruhiko Hamanaka
3,4
1山形大学医学部眼科学教室
2松江赤十字病院眼科
3日本赤十字社医療センター眼科
4石田眼科(上越市)
pp.1310-1317
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212388
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今月の症例
【患者】60歳,男性
【主訴】右眼の視力低下
【現病歴】右眼の血管新生緑内障(neovascular glaucoma:NVG)にて近医より紹介され受診となった。当院初診時,右眼の虹彩上に新生血管を認め,眼圧は30mmHgと上昇していた。フルオレセイン蛍光眼底造影検査で右眼の網膜血管の流入遅延(図1),およびMRIで右内頸動脈の99%狭窄があり,脳神経外科へ紹介となり,右内頸動脈狭窄症の手術加療を受けた。右眼の眼虚血症候群(ocular ischemic syndrome:OIS)によるNVGと診断し,硝子体手術で網膜最周辺部までの汎網膜光凝固術(panretinal photocoagulation:PRP)を行い,2時方向に線維柱帯切除術(trabeculectomy:TLE)を施行した。術2年後に眼圧上昇をきたし,ニードリングを施行したが眼圧下降が得られなかったため,追加の緑内障手術として10時方向にバルベルト®緑内障インプラント(Baerveldt® glaucoma implant:BGI)手術を行った(図2)。術後の眼圧はmiddle〜high teenで経過していたが,術後1年半より再度眼圧上昇をきたし,2年時点で30mmHgとなった。BGI術後の眼圧経過を図3に示す。
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